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ロビイングに対する評価と新しいロビイング

ロビイングに対する肯定的評価

ロビイングは、デモクラシーと政治参加の一環として有益

ロビイングは企業や業界団体、非営利団体などが自身の利益や関心事を代弁する手段となります。そのため、ロビイングは民間部門や市民社会の声を政府に伝え、政策の質や公共の利益を向上させることに寄与します。

彼らの意見や利益が政策決定に反映される可能性が高まります。特定の政策や法律が影響を与える可能性がある場合、関係者はロビイストを通じて政府と対話し、自らの立場や要望を伝えることができます。

ロビイングは政府の政策形成や法律制定に直接的な影響を与えることができます。政治家や政府関係者に情報や意見を提供し、特定の立場や利益を代表することで、政策や法律の内容や方向性を変えることが可能です。

市民や利益団体が自らの意見や要求を政府に届けることで、政治的な意思決定に参加し、民主的なプロセスに貢献することができます。ロビイングは市民社会の政治参加の一形態といえます。

ロビイングにょる専門知識と情報の提供で充実した政治が行われる

より良い政治を行うためには、ステークホルダーの関与を促進し、政策の多様な視点や利益を反映させることが重要です。

この点、ロビイストは特定の政策領域や業界に関する専門知識を持っています。彼らは政府関係者に対して重要な情報やデータを提供し、政策の潜在的な影響や実装の難しさ、利益の最大化方法などについて助言することができます。

これにより、より良い意思決定や効果的な政策の策定が可能となります。

ロビイスト間の政策競争の結果、より公益に沿う政策が採用される

ロビイストは、それぞれ自分たちの政策を政治家や官僚に売り込みます。そこでは、いわば政策間の競争が行われることになり、より優れたより公益に適う政策が採用されることになります。

ロビイングに対する否定的評価

英語のロビイングという語には、否定的なイメージが付きまといます。もともとの起源からもわかるとおりロビイングという用語は、利益誘導型政治と結びついて批判的な文脈で用いられることが多かったからです。 圧力団体などが行うロビイングが政治腐敗を引き起こしているとか、ロビイングによって政策決定プロセスが歪められるなどといった論調で語られることもあります。

ロビイングは公平性に反する

ロビイングの世界では、結局財力のある企業が強力なロビイストを雇って政策を実現します。その結果、「持たざる者」の声は無視されることになり、公平性に反します。

ロビイングによって政策決定過程が歪められる

一部のロビイストが利益集団のために法律を歪める可能性も指摘されています。

これは、特に政治家に対する企業献金などを背景にロビイングが行われた場合の問題ですが、貰ったお金の見返りとして政策を採用すると、政策決定過程が歪められ、必ずしも公益に沿わない結果になります。

ロビイングは腐敗の温床になる

圧力団体のロビイストが政治献金を背景としたロビイングを展開すると、政治家も献金を期待するようになります。その結果、金権政治が蔓延り、政治腐敗が進むことが懸念されます。

肯定論・否定論を超えて -新しいロビイングの広がり-

もっとも、ロビイングというのは、必ずしも利益団体が圧力を背景に行うものに限られません。

政治献金などの手段に頼ることなく堂々と政策を訴えて政治家や官僚を説得する真っ当なロビイングをしている企業・団体もまた少なくありません。 特に最近は、腐敗防止法制の整備と国民側の意識の高まりによって、利益誘導とは一線を画した新しいタイプのロビイングを行う人が増えてきています。

これまでのロビー活動に、公正性、透明性を加えたものが新しいロビー活動(パブリックアフェアーズ)だ。

引用元:藤井敏彦、岩本隆『ロビイングのバイブル』(プレジデント社)p.17

弁護士業界でも、新規業務領域としてロビイングが注目されています。