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ルールメイキング(ルール形成)とは何か? ロビイングとどう違うのか

ルールメイキング近年、官公庁や 弁護士 の間で「 ルールメイキング 」という言葉が使われるようになってきました。

◆ルール形成とは何か?
他社が従わざるを得ない・または従った方が得をするルール(規制、規範、規格、その他基準・認証に加え、調達基準や社会規範など)を開発し、普及させることを言います。

https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun-kijun/katsuyo/shijyokeisei/index.html

抽象的には法令などのルールを変えるための活動という意味で使われているようですが、そうすると、「ロビイングとどう違うのか?」という疑問が湧いてきます。法律事務所の中には、ウェブサイトの業務紹介のページに「 ルールメイキング (ロビイング)」などと書いてあるところもあるので、余計に混乱します。

ルールメイキング とロビイングの違い

ルールメイキング にしてもロビイングにしても、厳密な定義があるわけではないので、あまり悩んでみても仕方がないのですが、文献等を見る限りでは次のような傾向があるように思えます。

対象とするルールの範囲

ロビイングは、典型的には、法律や条例や省令など国や自治体のルールを変えることを目標とします。もちろん、法律の解釈運用を変えたり、予算配分を変えたりといったそれ以外を目標とする活動もあります。しかし、共通しているのは、国や自治体の運営のあり方に影響を与えるという部分でしょう。

一方、 ルールメイキング という概念は、これよりも広いものが想定されているようです。裁判例等の司法判断を変えることや、民間事業者の自主規制や業界ルールを作ることなども視野に入っているようです。

その意味では、 ルールメイキング のほうがロビイングよりも広い概念ということになります。

行われる活動の種類

対象とするルールが違えば、当然それに影響を与えるための活動も変わってきます。

ロビイングは、その起源からして、政治家などの政策決定者との面談などの手段がメインでした。

これに対して、 ルールメイキング の場合は、マスコミ対応・世論の喚起とか、業界団体の結成とか、裁判を起こしてみたりとか、わりと自由な発想で活動が行われるようです。

その意味でも、 ルールメイキング のほうがロビイングよりも広い概念といえます。

説得のために用いられる手法

ロビイングという言葉を用いた場合には、そこには、圧力団体による利益誘導型のロビイングから、近時の洗練されたロビー会社による公益に沿った政策を訴える政策立案型のロビイングまで、様々なものが含まれます。

これに対して、 ルールメイキング と言った場合には、利益誘導型の活動を念頭においていないことが多いようです。

このような点では、 ルールメイキング のほうがロビイングよりも狭い概念ということになります。

ルールメイキング 活動を行う主体

ロビイングという言葉によって表現される活動を行う者としてイメージされるのは、利益団体の担当者やロビー会社の社員、民間企業の政策渉外担当者といったあたりでしょうか。

これに対して、 ルールメイキング という用語は、弁護士 によって使われることが多いようです。法をはじめとするルールの専門家によるルールの定立・変更活動というニュアンスがあるのかもしれません。

ルールメイキングとロビイングを区別する明確な基準はない

もちろん、上に挙げた違いは、一般的な傾向にすぎません。ロビイングにおいても、民間ルールの定立を目標とすることもあります。手段としてマスコミを通じて世論に訴えることもあります。また、利益誘導とは無縁の政策立案型ロビイストもたくさんいます。このように、ルールメイキングという言葉は必ずしも法律家だけのものではないのです。。

結局、ロビイングとルールメイキングは、同じなのでしょうか違うのでしょうか。これに対しては、「同じ場合もあるし、違う場合もある」という答えにならざるを得ません。

ルールメイキングという言葉は、単にロビイングという言葉の言い換えの場合もあります。特別な意味が込められている場合もあります。そのあたりは、文脈で判断する必要があります。