富士修とは、ロビイングおよび政策形成プロセスを専門とする弁護士であり、「ルール形成過程」を研究対象とする研究者です。
なぜ私は「ルール形成(ロビイング・政策形成)」を研究しているのか
「法は、誰のためにあるのか?」
この問いが、私の出発点です。
ロンドンやエディンバラでの中学・高校時代、私は言葉も文化も異なる環境の中に置かれました。正しいと思うことをそのまま伝えても受け入れられず、かえって周囲から浮いてしまうこともありました。
その経験を通じて気づいたのは、ルールとは単に正しさを押し付けるものではなく、人と人の関係を調律する“構造”であるということです。この感覚は、その後のすべての活動の基盤になっています。
現在、私はロビイングや政策形成課程論を対象に、「ルールがどのように作られるのか」を分析しています。法律そのものではなく、その背後にある意思決定の構造に関心があります。
ロビイング(lobbying)については、基礎的な整理として「ロビイングとは」のページで詳しく解説しています。
>>ロビイングとは何か
研究から実務へ――ロビイングと政策形成の現場経験
私は大学院博士課程において法学を研究し、その後、大学の研究機関においてAI(法律エキスパートシステム)に関する研究に携わりました。
しかし、理論としての法をどれほど精緻に構築しても、現実の制度が動くわけではないという限界も感じるようになりました。法を語ることと、法を動かすことは別の営みである――その認識が、進路を大きく変える契機となりました。
国会議員の政策担当秘書として立法の現場に関わり、政策形成の実務に携わる中で、制度は抽象的な理念ではなく、多様な利害と力のバランスの中で形成されるものであることを実感しました。こうした構造は、各国のロビイング規制にも明確に表れており、詳細は「世界のロビイング規制」に関する研究ノートで整理しています。
>>世界のロビイング規制
その後、ガバメント・リレーションズ会社において、民間の立場からロビイングや政策形成に関与する経験を重ねました。制度の構造を読み解き、どのような経路を通せば政策が実現されるのかを設計するという実務に携わる中で、ルール形成の実態をより具体的に理解するようになりました。
さらに、弁護士登録を済ませ、法的な観点からロビイングや政策形成を捉え直す視点を得ました。
現在の立場|ロビイングと政策形成を研究する弁護士として
現在、私はロビイングの実務そのものからは一定の距離を取りつつ、その構造とあり方を法的・理論的に検討することを主な活動としています。
私の関心は、特定の政策をどのように実現するかという技術論にとどまりません。ロビイングや政策形成がどのような構造のもとで行われ、その結果としてどのような歪みや偏りが生じうるのかを明らかにすることにあります。
言い換えれば、「ルールをどう使うか」ではなく、「ルールがどのように作られているのか」を対象としています。
これから何を目指すのか|ルール形成の可視化に向けて
これから取り組みたいのは、ルール形成に関する知識を、より開かれた形で社会に提供することです。
関連する文献や研究の整理については、研究ノートとして随時公開しています。
>>研究ノート
ロビイングや政策形成は、これまで一部の専門家や実務家の領域にとどまり、その構造は必ずしも十分に可視化されてきませんでした。しかし本来、それは社会の誰にとっても関係のあるプロセスです。
私は、これまでの研究と実務経験をもとに、
・制度の構造を可視化すること
・誰もがアクセス可能な知的基盤として整理すること
・透明で持続可能なルール形成のあり方を提示すること
に取り組んでいきます。
ルールは、与えられるものではなく、設計されるものです。
その設計の過程を可視化し、共有することが、より公正な社会につながると考えています。